2012年01月05日

ステップ解析番外編 羽生選手に学ぶ!ステップLv4の取り方

明けましておめでとうございます。
昨年はスケートを通じてたくさんの方とブログやTwitterで交流があり、
楽しい一年でした。今年もよろしくお願いします!

さて、シーズンの前半が終わりまして。
今シーズンルール改正されたステップに注目してきた私としては
羽生結弦選手がレベル4をコンスタントに獲得してるのは
見逃せないな!と。
というわけで今回はそこらへんの分析を中心に
書いていこうと思います。


☆日本男子トップ3の現状

しかしこれはちょっとしたサプライズっていうか、
ルール変更はあったけど予測した人はあまりいないのではないでしょうか。
日本男子でここまでレベル4を一番多く取れてるのが「ステップが巧い」と
言われてる高橋君や小塚君ではなく、羽生君だってことを!

日本男子トップ3のステップレベル4獲得の現状はこんな感じ。

羽生・・・SP/ロシア杯、全日本  FS/GPF、全日本

高橋・・・SP/N杯、GPF   FS/GPF
      
小塚・・・SP/なし       FS/スケアメ

中国杯ではレベル4を取れなかった羽生選手ですがロシア杯、GPF
とレベル4を取り、ついに全日本ではSP、FS両方でレベル4。
一方、小塚選手は初戦のスケアメで獲得したものの、以降はありません。


☆そもそもステップレベル判定の要件とは

ここで改めてレベルの判定要件を確認しておきます。
私はこちらのハンドブックでいつも確認しています。(日本語でわかりやすいです^^)

レベルの特徴として1)〜5)が挙げられています。
このうち3つを満たせばレベル3、4つを満たせばレベル4です。
高橋、小塚、羽生、3選手とも片足ステップはやっていないので
レベル4を獲得したものはあとの4つを満たしているわけです。
この中で難しいと思われるのが
(1)の「ターンおよびステップの数」(レベル4は複雑でなければならない)と、
(5)の「難しい3つのターンの組み合わせ」です。
「難しいターン」とはロッカー、カウンター、ブラケット、ループ、ツイズルの5種です。
いずれも体重移動、腰のひねり具合などが難しく、
ある程度以上の技術をもったスケーターでないとできないターンです。
ロッカー、カウンターのトレース図を描いてみました。(手描きです…)
左上から右下へ滑るとします。
S字のカーブ、その中心でターンが起こります。

ロッカーカウンター

ロッカーはスリーターン後のチェンジエッジ、カウンターはチェンジエッジ後のスリーターン
といういわゆる「なんちゃって」になりやすいのです。
シニアの選手でもスロー再生すると「これはどうかな…」というターンが
私のような素人にも見えてしまいます。
(スペシャリストの方は肉眼でやってらっしゃるんですよね〜。尊敬)
これらはほんの少しのタイミングや重心の置き方で変わってしまうものなので難しいです。
なんちゃってなら私のような素人でも出来るんです。
ですから前の試合ではレベルが取れたけど今回は取れなかった、ということが
起こるんだろうと私は解釈しています。
ジャンプのLz/F判定も似たようなもので、非常に僅かなタイミングの差で
イン/アウトのエッジが変わりますので試合ごとにeをもらったりもらわなかったり、
選手によっては両方もらっちゃったりするわけです。

たまに勘違いしている人を見かけるのですが、
スピンやステップのレベルというのは実施されたものに対する判定にすぎません。
それが回転が速い、とか美しい、とかはGOEで評価されます。

逆を返せばへろへろステップだろうがのろのろスピンだろうが、条件を満たしていれば
レベル4と認定されるわけです。
(たまにトップ選手でレベル1というのを見かけますが、これは「分布」とかに
引っかかってるのかなあと思います。“ウェルバランス”なプログラムって大変ですね)


☆羽生選手のステップ

羽生選手はどのようにレベル4を取っているのでしょうか。
ステップ中の「難しいターンの組み合わせ」を全日本の動画でみてみます。
まずSP。
http://youtu.be/MSfxAYKqJNc
@2:32、RBIツイズル・RBIロッカー・RFIブラケット。
A2:48、RBIカウンター・RFIツイズル・RFIロッカー。

フリー。
http://youtu.be/RXX7mfeKJ_M
B2:30、RBIツイズル・RBIカウンター・RFIブラケット。
C2:35、RFIツイズル・RBOロッカー・RFOブラケット。

yuzu

これもトレース図を描いてみました。
△がスタート地点。動画の見た目と同じ方向に描いてあります。
どうでしょう。なんとなく似た組み合わせだと思いませんか。
これらは全て右足で行われています。そして全てにツイズルが入っています。
羽生選手、おそらくツイズル得意ですよね。
「ホワイトレジェンド」のラストのながーいシットツイズル、好きです。
私が思うに、羽生選手は得意なターンの組み合わせを
SP,FSともに入れているのではないでしょうか。
(得意なターンといっても上に書いた通り、簡単なものではありません!)
羽生選手の振付師はSP,FSともに阿部奈々美コーチですからそれができるんですよね。
(高橋選手はFSで、小塚選手はSPで、それぞれしっくりきていなさそうな箇所があります…)
上半身の動きもとても大きいですね。ツイズル時に両手をあげていたり深く腰を曲げたり、
明らかに上下に激しく使っています。
だからシーズン前半できちっとルールに合わせてレベルをしっかり取ることが
出来たのではないかと私は思っています。

レベル4を取れるとGOEの加点幅も違ってきますので、やはりその点数は大きいです。
今シーズンの羽生選手の強さはジャンプやスピンだけでなく
ステップにもあるのではないでしょうか。
(すごいな〜。自分が17歳の時って何してたかな…(;・∀・)

高橋選手、小塚選手は4大陸、ワールドに向けて修正するかもしれませんね。
個人的には男子ではアボット選手にもレベル4を取ってもらいたいな〜と思ってます。


posted by mico at 00:00| Comment(1) | ステップ解析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。羽生選手はクリケットに移るまではステップでは点の取れない選手かのように扱われてましたが、実は、きちんとレベルも取れていたのですね。なるほど・・・・!詳細な分析、ありがとうございました。すんごく参考になりました!!!!これからも読ませてくださいね!!
Posted by まさ at 2014年05月10日 07:00
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